世界のサッカーシーン アフリカサッカー

体力

世界のサッカーで、常に注目を集めているのがアフリカです。アフリカは経済力や政治の安定といった面ではまだこれからの地域ですが、サッカーに関してはすでに一流地域の仲間入りを果たしています。アフリカの多くが20世紀後半に独立を果たすまで欧州列強の植民地でした。その時代の影響は今でも残っており、フランスの植民地だったカメルーンやコートジボワール、アルジェリアなどではフランス語を話す人が多くいます。こうした歴史がアフリカのサッカーにプラスに働いているのです。

欧州各国のクラブはかつて植民地だった地域にスカウトを派遣し、有望な選手を自国に連れ帰って鍛え上げるようになりました。選手はその国の言葉が話せるから適応能力が高いですし、成功への意欲に満ちています。こうした流れがすでに10年単位で進んできた結果、今ではアフリカと欧州両方の良さを身に付けた選手たちが世界中で活躍するようになっています。ビッグクラブには、アフリカにルーツを持つ選手が必ずいると言っていいでしょう。

アフリカ系選手の最大の魅力は、強靭なパワーと柔らかいバネを兼ね備えたフィジカルの強さです。よく足が伸びて来るとか関節がひとつ多いと評され、日本人はもちろん、他の人種には真似できないファンタスティックなプレーを見せてくれます。それに加えて、信じられない距離から放って来る弾丸のようなロングシュートや頭ひとつ抜けたジャンプ力もアフリカ系選手の特徴でしょう。一方で、戦術を守る規律に欠けたり、チームメイト同士でいさかいを起こしたり、諦めが早いといった弱点を上げる意見もあります。こうした弱点は、欧州育ちのアフリカ系選手が増えて来て薄れつつあるものの、全体で見ればアフリカらしさを象徴しているとも言えます。

この他、各国のサッカー協会が様々なトラブルを巻き起こすことが多いのもアフリカサッカーの一面です。色々な面を持ち合わせたアフリカらしさは、これからも世界のサッカーシーンで注目されていくでしょう。